DENON AVR-X3800Hの音質評価をする前にセッティングを見なおそうと思います。
HiViオンラインの情報をもとにスピーカーの設置、自動音場補正機能、サウンドパラメーターなどを設定します。
参考にした記事
ここで紹介する記事を見つけたことがセッティングを見直すきっかけになりました。
土方久明氏の『HiVi 2025年夏号』と『HiVi 2025年秋号』の記事になります。
AVR-X3800Hの上位機であるAVC-A10Hを対象とした記事ではありますが、測定方法やサウンドパラメーターなど共通点も多くとても参考になります。
ホームシアター環境
我が家のホームシアターですが、部屋の形が変な上に物があふれています。
音響機器を扱う環境としては最悪の部類に入るかと思います。
(ピュア)オーディオをやるなら「まず部屋から」というのが鉄則ですが、部屋を変えるのは容易ではないのでできることを取り組みます。
使用機器等
AVアンプ:DENON AVR-X3800H
フロントスピーカー:Pioneer S-A77TB
センタースピーカー:Pioneer S-A6CSII(S-A6CS-2)
サラウンドスピーカー:Pioneer S-A3-LR
サブウーファー:ONKYO SL-D501
イネーブルドスピーカー:DENON SC-EN10
BDプレーヤー:SONY BDP-S6200
メディアプレイヤー:Fire TV
他:USB HDD(USB3.0)
シアタールームの様子

シアタールームのレイアウト

一部欠けていますが、おおよそ4 x 7mの部屋になります。
赤色の破線内がシアターエリアです。(青い破線はシアター中央です)
シアターエリア内の色が付いている四角形がシアター用の機器となります。
顔マークが視聴位置、水色の左右矢印がスクリーンです。
グレーの点線は本棚,冷蔵庫,レースシムコックピットなどを表しています。
視聴位置の背後はテーブル筐体だったりします。

サラウンド左スピーカーはテレビによって半分隠れています。
センタースピーカーについて
センタースピーカーは床に設置してあります。
自作スタンドにより若干上向きにしていますが、プロジェクターの下に設置していることもあり十分な角度を付けることはできません。

センタースピーカーの音像イメージは下図のようになります。

耳に収束するように角度を付けようとすると手前にスピーカーを引っ張り出さないといけなくなります。
でもこれ以上手前に出すと蹴飛ばす可能性があるので無理をせずこのままとします。
前述したように音響環境としては良くないです。
スピーカーの確認
測定を開始する前に各スピーカーの状態を確認します。
スピーカーの設置位置修正
すべてのスピーカーに対しての距離を均等にするというのは無理なので、左右均等だけを目指します。
レーザーセッターは持っていませんし、今のところ導入する予定もありません。
メジャーで測定できる範囲の精度でよしとします。
- シアターエリアとセンタースピーカーの中心を合わせます。
- フロントスピーカーを左右均等に配置します。
- サラウンドスピーカーは壁に固定してあるので今回は手を加えません。
- イネーブルドスピーカーはフロントスピーカーの上面中央に設置します。
- サブウーファーは少し邪魔だったの後ろに下げます。
フロントスピーカーの向きは視聴位置に対して真正面より少し外振りになっています。
イネーブルドスピーカーの向きもそれに準じます。
サラウンドスピーカーも真正面ではなく、こちらは大きく内振りになっています。
また耳の高さよりも高い位置に設置されています。
サブウーファーはセンタスピーカーとフロント右スピーカーの間に設置し、向きは視聴位置に対しておおよそ正面になっています。
インピーダンスの設定
使用するスピーカーのインピーダンスが6Ωのため、AVR-X3800Hのスピーカーインピーダンス設定を変更しました。
※初期値は8Ωです
インピーダンスの設定方法
①本体のZONE2 SOURCEとSTATUSを同時に3 秒以上長押しする。
ディスプレイに“V.Format:< NTSC>”が表示される。
②本体のDIMMERを数回押す。
ディスプレイに“Sp.Imp.:<8ohms>”が表示されるまでDIMMERを押す。
③本体のTUNER PRESET CH +,CH -を押して、インピーダンスを選ぶ。
今回は”6ohms”を選択
④本体のSTATUSを押して、設定を終了する。
サブウーファーの確認
あわせてサブウーファーの確認もしておきます。
ローパスオフ/ダイレクトモードがあるならオンに、無ければフィルター設定を最高値にしておきます。
ONKYO SL-D501には「高域カットフィルター切替スイッチ」があるので【DIRECT】にしました。
セットアップ開始
前述の記事の手順に習って進めていきます。
①マイクの設置、②測定、③測定結果の確認と手動調整の、3ステップとなります。
①「マイクの設置」
まず視聴位置を確定させます。
横方向はシアターエリアの中央,縦方向はできる限り後方に下がったところが視聴位置になります。
参考サイトによると
部屋の縦方向を三等分したときの、前方から3分の1、または3分の2の位置が、定在波の関係からいうと、最も低域が伸びる位置にあたるとされている
ということらしいのですが、スクリーンとの距離を取りたいので最大限下がった位置としています。
位置を決めて床に印を付けます。(マジックで書いちゃった)
これが1カ所目の測定位置になります。
2,3番の測定位置は、1カ所目の位置から左右に45cm離れた地点としました。
測定は3番までで終了とするのでこれ以上の位置決めはしません。
マイクスタンドはカメラ用の三脚を使用します。
測定用マイクの底面にカメラと同じサイズのネジ穴があるので簡単・確実に取り付けられます。
マイク(三脚)の高さは視聴時に使用するリクライニングチェアに座った際の耳の高さに合わせました。
では、マイクを測定位置1番に置きます。
三脚の中央にテグスで重りをぶら下げました。
これをマイク設置個所の印にあわせます。

これで正確に設置できるかと思います。
②「測定」
Audysseyセットアップを開始します。
スピーカーレイアウトは5.1.2ch(フロントDolby)です。
測定は最大8カ所ですが、シアターエリアは狭いので3カ所としました。
(参考記事でも3カ所となっています)
3カ所であれば10分もあれば終わるかと思います。
③「測定結果の確認と手動調整」
測定結果です。



| スピーカー | 距離 | レベル | クロスオーバー周波数 |
| フロント左 | 2.40m | -9.0dB | 80Hz |
| フロント右 | 2.40m | -9.5dB | - |
| センター | 2.25m | -6.5dB | 40Hz |
| サブウーハー1 | 2.40m | -5.0dB | * |
| サラウンド左 | 1.53m | -8.0dB | 60Hz |
| サラウンド右 | 1.53m | -5.5dB | - |
| フロントD左 | 2.52m | -5.5dB | 180Hz |
| フロントD右 | 2.55m | -5.5dB | - |
苦労の甲斐あってかフロント,サラウンドスピーカーは左右均等になっています。
(スピーカープリセット2用に再測定したらズレていたので偶然ですね)
ここから手動調整になります。
全てのスピーカーの音量が聴感上で均一になるよう、マニュアルセットアップで微調整をするのだそうです。
ちょっとその前にこのままの状態で試聴します。
前回のレビューで「Audyssey Dynamic EQ」をオンにするとセンタースピーカーの音量が異常に小さくなるという現象が発生しました。
ですので今回の自動補正ではどうなのかを確認します…
まったく聞こえなかったセリフが聞こえます。
少し足りない気はしますがこれならまあ納得できる音量です。
前回は8カ所の測定をしましたが過剰だったか、そもそも測定条件が悪かったのかもしれません。
では気を取り直してマニュアルセットアップに入ります。
「スピーカー」-「マニュアルセットアップ」ー「レベル」を開きます。
トーンを流しながらスピーカーを切り替えて音量を合わせて行きます。
これ難しいです。
ザー(サー?)っていう音が流れるんだけど音の質自体が違って聞こえるんですよね。
ザーって聞こえる場合もあるしサーって感じる場合もある。
違う音に聞こえるものを同じ音量に?
良く分からないので何となくで調整していきます。
| スピーカー | レベル |
| フロント左 | -9.0dB |
| センター | -5.5dB |
| フロント右 | -9.0dB |
| サラウンド右 | -5.5dB |
| サラウンド左 | -7.5dB |
| フロントD右 | -5.0dB |
| フロントD左 | -5.5dB |
| サブウーハー1 | -5.0dB |
フロント左スピーカーを基準として合わせてみました。
変更したところをマークしておきます。
今後も違和感があったら修正していく感じになるのかなと思います。
各種パラメーターの設定
最後に各種パラメーターの設定を行ないます。
基本的には不要な機能を停止するということになります。
「Dynamic EQ」:オフ
「Dynamic Volume」:オフ
「ラウドネスマネージメント」:オフ
「Bluetooth」:無効
「AirPlay」:オフ
「Spotify Connect」:オフ
「Roon Ready」:オフ
「Qobuz Connect」:オフ
ネットワーク系は全てオフにせよとありますが必要な機能は残します。
「Wi-Fi」は有効です。
また、「HEOS」と「ウェブコントロール機能」を使用します。
「ダイナミックレンジ圧縮」:オフ
「MultEQ XT32」:オン(Reference|Flat)
マイクを使った自動音場測定機能は、測定ツールとして有益だ。その際にAudyssey(オーディシー)によるイコライザーも計測、設定される。ある程度音響特性が整ったHiVi視聴室では「オフ」を基本としているが、現実の再生環境では有効にしたほうがよい、という意見もある。土方さんは映画再生時は「Reference」、音楽再生時は「Flat」を使う考えだ
土方氏に習い原則オンとします。
ただし、2chの音楽再生時は「Pure Direct」を使用するため必然的に「MultEQ XT32」はオフとなります。
これについては時間をかけて何が良いか検証していくことになるかと思います。
「Audyssey LFC」:状況によりオン
この記事を書いた時点ではオフにしていましたが、夜間や家に家族がいる場合オンにします。
「抑制量」は4 or 5かな。
重低音が抑えられるけど特に違和感はありません。
罪悪感も抑えられるので良いです。
オンにしたことを忘れたまま使用していることもあります。
「クロスオーバー周波数」:80Hzで統一
拙宅で使っているTD508MK4も全てのスピーカーサイズが“小”と判定され、低音はサブウーファーに割り振られる設定となった。クロスオーバー周波数を確認すると、自動的に測定された値はバラバラだった。ここではテストトーンを鳴らして、中高音域のディテイルの暴れを確認しつつ、耐入力のバランスをとる形で「120Hz」に統一した。
当シアターの各スピーカーのクロスオーバー周波数もバラバラでした。
イネーブルドスピーカーを除いて80Hzで統一するのがいいのかな?という感じ。
イネーブルドスピーカーは測定結果通りの180Hzとしました。
天井の反射を利用した構造であること、低音は音の立ち上がりが遅いということを考えると
無理してこのスピーカーから低音を出す必要はないのかなと思います。
上限の250Hzでも良いのかもしれません。
「サブウーハー出力」-「ローパスフィルター」:250Hz
また、A10Hでは、「サブウーハー出力」-「ローパスフィルター」項目で、LFE信号の再生帯域を70Hz〜250Hz間で設定できるが、LFEは元々高域がカットされた信号であるため、フィルターの影響が最も受けにくい「250Hz」とした。
250Hzで良さそう。
「低音の位相補正」:7ms
本来はソフトごとの遅延時間を反映させつつ、この数値を変化させるべきだが、事実上不可能。経験上、7〜9msでほとんどのソフトで違和感がなくなる。
7msで様子見をします。
「エコ設定」:オフ
オフにしますが、オートに戻す可能性はあります。
「HDMIコントロール」:オフ
「ARC」:オフ
音質評価
これですべてのセットアップが完了しました。
フロントスピーカーをバイアンプ接続に変更したこともあるので、2chから再度音質評価してみます。
念を押しますが、あくまでも「そんな気がする」という程度のレビューです。
2ch再生時の音質評価
2ch再生時はサウンドモードを「Pure Direct」および「Direct」にしています。
バイアンプへの変更前より音の切れが良くなったというか、より静と動がはっきりしたといった方が良いのかな。
全体的に力強さが増しているような印象を受けるけど、実は1音1音の鳴り始めと終わりが明確になっているのかもしれない。
バイアンプのおかげなのかスピーカーケーブルをAK-2000に換えた影響なのかは定かではありませんが…
Directで聴いていると力強さを感じつつも、音自体は柔らかいというか暖かいというか、優しい印象を受けます。
DENONの音のイメージとはちょっと違った感じです。
スピーカーの特性が色濃く出ているのでしょうか。
バイアンプそのものには絶対的な優位性を感じてはいませんが、2ch再生の音質としてはこれ以上を求める必要は無いかなと思います。
また、バイアンプよりも5.1.4chに魅力を感じたらバイアンプをあきらめてしまうかもしれません。
[Stereo]も試聴します。
これはこれで良いです。
というかDirectよりStereoの方が音が良いという印象を受けます。
音がはっきりして派手目というかメリハリが付くので、良い音に感じやすいのかなと思います。
サブウーファー有と無しの両パターンとも良いです。
サブウーファーを使っても自然な低音が聞こえます。
マルチチャンネルの音質評価
ようやくちゃんとした設定でマルチチャンネルが再生できるようになりました。
「MultEQ XT32」はオンで、Referenceになっています。
まずはAtomsデモを試してみます。
“dolby-atomos_amaze.mp4”
“dolby-atomos_leaf.mp4”
※過去にDolbyのサイトで配布されていたものです。
SONY ブルーレイディスクプレーヤー BDP-S6200のファイル再生機能を使用します。
USBメモリ等に上記のファイルを入れることで再生できます。

包み込まれてる感がすごいです。
音の繋がりが良すぎる。
これまでもサラウンドを楽しんでは来たけれど次元が違う感じです。
次に機動警察パトレイバー the Movieを見ました。
台風のシーンは臨場感があります。
5.1chの作品ですが、サウンドモードを「Dolby TrueHD + Dolby Surround」にするとイネーブルドスピーカーの効果が実感できます。
音楽もの(ライブ)も試してみます。
宇多田ヒカルさんの「UTADA HIKARU UNPLUGGED」です。

こちらは素直に5.1chのまま再生します。
参考記事に『映画再生時は「Reference」、音楽再生時は「Flat」を』とあるので、「Flat」にしてみましたがこの作品に関しては「Reference」の方が好印象でした。
スタジオライブを収録した物なので、参考記事の言う「音楽再生時」というものには該当しないのかもしれません。
さて「UTADA HIKARU UNPLUGGED」ですが「良いものはより良く」という印象です。
そもそも素晴らしく良いんですよこの作品。
僕が再生しているのはDVD版です。
現在はブルーレイ版が販売されているようです。(ブルーレイ版の収録音声形式は、形式を記載しているサイトが見つからなかったので不明です)
次は、小澤征爾さんの「小澤 & ウィーン・フィル ニューイヤー・コンサート 2002 <DVD完全収録版>」です。
DVD作品としてはこちらも古いものですが色褪せません。
会場の温かい空気感も伝わってくる感じがします。
しみじみと「いいわ~」って感じです。
まとめ
良い記事に巡り合えたなぁというのがすべてです。
僕は機械(測定)至上主義というか自分を信用していないので、自動測定した結果に手を加えるというのには抵抗がありました。
でもマニュアル設定してみて良かったなと思います。
実際音の繋がりが良くなったと思うし。
また、結果を記録しておくことで今後の指標ともなるので、きちんと取り組んで良かったなとも思います。
ちなみに、この記事の先頭にある画像(アイキャッチ画像)はGeminiに「スピーカーから音が出ているようにアニメ調で表現して」と依頼して作成したもらったものです。
微調整はしたものの意図通りにはいかず…
でも派手で楽しそうだったので採用しました。






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