3DS用ソフトウェアのプチコン3号にパソコンから画像などのデータを転送します。僕が作った「ぷっちコンバーター3号」はプチコン3号からパソコンへの一方通行なので、3DSへ向かってデータを送ることはできません。
今回は双方向で通信できる「PetitModem」を利用させてもらって、プチコン3号へのデータ転送へ挑戦します。
いざPetitModemを使おうと思ったらネット上にあまり情報が無かったので、使ってみる中で気付いた点などを備忘録として残しておきます。
PetitModemとは?
れいさん作
音声を利用して3DS プチコン3号とパソコン間でデータの受け渡しを行います。3DSライン(直付けケーブル)がなくても通信できる優れものです。
パソコン用にPetitModemPCとLZSS for PetitCom、プチコン3号用にPMODEM、LZSSLIB102が用意されています。それぞれソフトウェアを起動して通信を行います。
3DSラインのこと
3DSにはマイクが付いています。PetitModemは内蔵マイクを使った転送にも対応していますが、やはり直接ケーブルをつないだ方が安定した通信が行えます。
3DSラインというのは、外部マイク入力を利用してライン入力するためのケーブルです。以前はスマホ用のハンズフリーイヤホン&マイクをの4極ケーブルを改造して作るのが一般的だったようです。
3DSに外部マイクが接続されたと錯覚させなければならないため、難易度は結構高めの改造です。
アイネックス AVC-04
ケーブルを作るのが面倒だったので、とりあえずイヤホンとマイクが分離できるケーブルを購入しました。
ネット上にはこのケーブルは3DSラインとしては使えないとの情報がありました。(それを買うっていうのは無謀ですね...)
結論から言うとこのAVC-04で通信ができました。
接続に関してのメモ
AVC-04の赤色の端子がマイク入力で黒がイヤホン用の音声出力端子です。
・New3DS
・アイネックス AVC-04
・オーディオミニプラグ ステレオ音声ケーブル2本
・パソコン
パソコンのイヤホン用音声出力端子から3DSのマイク入力端子につなげます。もう一本は3DSのイヤホン用音声出力端子からパソコンのマイク入力端子に接続します。
ステレオ音声ケーブルは抵抗入りのものである必要はありません。抵抗が入っていると音量が小さくなりすぎてかえって問題がありました。
ボリュームの調整で対応できました。
パソコンの設定
パソコンの音声出力について
音量:10
大きすぎると3DSのPMODEMのレベルメーターが振り切れます。
パソコンから300dpsで送信して、3DSのPMODEMを受信状態にしてレベルメーターを確認すると分かりやすいです。
それぞれの環境でちょうどよい音量を見つけてください。
パソコンのマイク入力設定
録音ボリューム最大
マイクブースト+30.0dB(最大)
3DSの設定
3DS音声出力について
音量:最大
パソコンの側のマイク設定との兼ね合いになるので、必要に応じて調整しましょう。
ゆうぱぱの環境では、パソコンのマイク入力はすごく音量が小さくなってしまうので、3DS側は最大で良かった。
3DSのマイク入力設定
初めてAVC-04を差した時はうまく外部入力に切り替わりませんでした。
そこで、3DSに不具合がないか調べるために100均で買ったスマホ用ハンズフリーステレオイヤホンマイクを挿しました。これは正常に外部マイクとして機能しました。
再びAVC-04に戻します。
先ほどはAVC-04にイヤホンを挿した状態で3DSに取り付けました。そこで、今度はマイク側のみを挿した状態で3DSに接続したところ外部マイクに切り替わりました。
これ以降3DSの電源を切っても、AVC-04は普通に利用できるようなりました。先にイヤホンが刺さっていてもマイク端子に差し込めばちゃんと切り替わります。
ひょっとすると音量の設定に関係があるかも知れません。
なにはともあれ、アイネックス AVC-04が3DSラインとして使えるようになりました。
「ニンテンドー3DSサウンド」を起動して「マイクで録音して遊ぶ」を選択します。そして「録音する」を実行するとマイクから入力された音声が波形であらわれます。3DSをたたいて波形があらわれるようであれば、内部マイクが動いているとわかります。たたいても反応しなくなれば外部マイクに切り替わっていると思われます。
PetitModemの使い方について
特に難しくはありませんが、注意点だけ書いておきます。
下の画像はパソコン側のソフトの「PetiModemPC」です。
「Speed」の欄を見てもらうと1200bpsになっています。これは通信速度をあらわすものですが、3DS側も同じにする必要があります。3DSのソフトは初期値が600bpsになっているので注意してください。
また、3DSラインを使うのであれば1200bpsでも問題ありませんが、内蔵マイクを使って通信を行う場合は速度を下げた方が良いようです。
Sendが送信で、Reciveは受信です。
パソコンから3DSへデータを送る場合は、パソコン側はSend、3DS側はReciveで起動してください。
「Send Simplex」は一方的にデータを送る方式です。相手が正しく受け取ったかどうかのチェックができません。繰り返し送信することでエラーをなくすようになっているため、条件によってはかなり時間がかかります。
3DSラインを使う場合は、「Send w/ARQ」を利用します。こちらは相手が正しく受け取ったかどうかのチェックをしながら転送します。トラブルさえなければ、一度の送信で正確にデータ転送をすることができます。
PetitModemでパソコンから3DSへ画像を送信
これはパソコンから3DSへ画像を転送している画面です。送っているファイル名の拡張子が「PZG」になっています。このPZGファイルは画像を圧縮したものですが「LZSS for PetitCom」で作ることができます。
3DSで扱える画像形式に変換したうえで圧縮してくれます。JPEGなどをこのアプリにドラッグ&ドロップすることでPZGファイルが自動的に作成されます。
「LZSS for PetitCom」はPetitModemに同梱されています。
受信中の3DSの様子
青いバーが右まですべて埋まったら転送終了です。結構な時間がかかるので、転送を開始したら放置しておけば良いでしょう。転送が終わったら3DSの画面に保存する、しないのメッセージが表示されます。
赤は入力された音声のレベルだと思いますが、黄色は良く分かりません。
3DSでPZGを解凍する
転送はPZG形式で行われますが、そのままではプチコン3号では使えません。圧縮されているので解凍する必要があります。
解凍するためのソフトもPetitModemに同梱されています。
「LZSSLIB102.PRG」がプチコン3号での解凍用ソフトになります。
「LZSSLIB102.PRG」を使っても良いのですが、より簡単に使える解凍用ソフトをペンコ改さんが公開してくださっているのでそちらを使わせていただきます。
ちょっと見えにくいですが、岐阜基地航空祭の写真が3DSで表示されました。
れいさん、ペンコ改さん、素晴らしいソフトを公開してくださってありがとうございます。
アイネックス 4極ステレオミニ – ヘッドフォン+マイク分岐ケーブル AVC-04
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