デジカメで撮った写真でパスポートの申請をしました。ちょっと不安もありましたが、インクジェットプリンターで印刷した証明写真でパスポートを作ることができました。
証明写真ってけっこうお金が掛かる
子供たちの海外研修に向けて、パスポートの申請をすることになりました。申請には証明写真が必要なんだけど、デジカメで撮ってインクジェットプリンターで印刷したもので良いのかな?
ちゃんと写真屋さんで撮らないと駄目かな?
少しでも、手間なく、安く上げたいので、調べてから実行することにします。
インクジェットプリンターで印刷した写真でも良いのか?
一番重要なことですね。これがダメだったら根本的に無理と言うことになってしまいます。
外務省のサイト(パスポート申請用写真の規格)にパスポート申請用写真について記載がありました。
大半は撮影条件について書かれていますが、(1)パスポート申請用写真の規格等の一番最後にありました。
写真専用紙を使えば良いとのことなので、エプソン純正の写真用紙<光沢>を使うことにします。
写真専用紙とは印画紙タイプのことを示していると思われます。
ひょっとすると紙タイプでも受け付けてもらえるかも知れませんが、人にあげる写真をプリントするときにも使えるのでこの用紙にしました。また、最近は薄手の写真用紙もあるけど、写真としての手触りも大切かなと思うので、通常の厚手のタイプにしました。
プリンターはエプソンの EP-704Aを使います。
撮影条件と写真のサイズについて
詳細は、外務省のページを見ていただくとして基本的なルールを押さえます。
•正面、無帽、無背景
•縦45ミリメートル×横35ミリメートル(ふちなし)
•影のないもの
•顔の縦の長さは、写真縦の70~80%(34±2ミリメートル)であること
•背景と人物の境目がはっきりしていること
顔のサイズが細かい数字まで書かれているのでこれは守らないといけないですね。
影が無く、背景と人物の境目がはっきりしていること、これもちょっと難しくない?
さらに細かい撮影条件については、上記の外務省のページで公開されているPDF(旅券用提出写真についてのお知らせ)を参考にすると良いでしょう。
スポーツ少年団などの申請で証明写真を提出することはあったけど、そこまで厳密なものでもなかったので、いつもはデジカメで撮って画像処理ソフトで作っていました。
今回は顔の長さまで指定されているので、これはいつものやり方では難しそうです。
スマホアプリで撮影
最初に目を付けたのがスマホアプリです。
iPhone用のアプリの中で良いなと思ったのが、証明写真~かんたん・キレイな履歴書カメラ ( by タウンワーク )です。
顔の位置を示すガイドラインが表示されているのですごく簡単です。
(ただ、このガイドライン通りだと、パスポート用には顔がちょっと小さいのではないかと思います。)
写真が撮れたら、証明写真として利用できるようにレイアウトした画像を作ってくれます。L版サイズの画像になっているので、プリンターで実寸(フチなし)印刷をすると証明写真の出来上がりです。
マイナンバー・住基カード用サイズと記載されていますが、マイナンバーとパスポートは規格が同じです。(顔の縦の長さも34±2mmと同じです。)
自撮りならこのアプリでOKでしょう。光の具合や背景など、品質の良い写真が撮れるまで撮り直せば良いからです。自分だけなら必要に応じて場所を移動することも簡単です。
ただ、子供を撮るとなるとそうはいきません。あまり長い時間拘束することもできないし、何度も撮り直すわけにも行きません。
アプリで撮影した直後はサイズの調整ができませんが、カメラ内にある画像を読み込んだ場合は調整できるようです。
撮影した後一旦アプリを終了して、再起動し「撮影する」を実行します。画面上部(撮るコツの右)に絵画のアイコンがあるので、押すとカメラ内の画像を読み込むことができます。そして先ほど撮影した写真を選択します。これで拡大できるようになるので、顔の縦の長さが画面の70~80%になるように調整すれば良さそうです。
ということで、スマホで撮るのは断念してデジカメによる撮影環境を整えることにします。
パスポート用写真の撮影テクニック
撮影は外光のほとんど入らない部屋の中で行います。
背景は淡い色による無地(均一)である
壁に白いシート(ダイソーのビニール製テーブルクロス)を貼りました。無地の壁紙なら直接でも良いと思います。
淡い色で、人物と背景の境目さえ不明瞭にならなければ何色でも良さそうですが、白か水色が無難でしょうか。肌が白い人は水色の方が良いという情報もありました。また白髪の多い人も注意が必要です。
顔や背景に影を作らないようにする
壁の影は、壁から少し離れて立つことで防ぐことができます。
(実際は脚立に座らせています。)
問題は顔の影です。
右斜め上から照明に照らされているのでどうしても顔に影ができます。
照明とレフ版を追加
レフ版と言っても発砲スチロールの板です。白くて軽いので使いやすかったです。
照明には洗濯ネットをかぶせています。光が当たりすぎて顔がテカってしまうとダメ写真になってしまいます。
レフ版を使った撮影なんてしたことがないので、見よう見まねです。
左斜め下辺りにレフ版を置いて(奥さんが持って)、そこに照明を当てます。そして、照明の位置を移動しながら何度も撮影します。
下手な鉄砲数打ちゃあたる戦法です。
三脚を用意
安定した撮影には必須です。カメラを固定して空いた手で照明を持って撮影しました。
カメラの設定
顔認識(顔がはっきり写ることを期待して)が使えるオートモードでまずは撮影。
次に、プログラムオートにして露出補正を+2/3して撮りました。
知り合いに「写真が暗い」という理由で不受理になった方がいたので、明るめにということに気を使っていました。
フラッシュを使えば明るくできますが、影ができやすいので使わないようにします。また、フラッシュによる赤目もダメです。黒目に照明が反射したキャッチライトは問題ないそうです。
出来上がりのイメージがしやすいようにカメラを縦にして撮影しましたが、あとでトリミング調整できるように余裕を持たせています。
なんとか写真が撮れたので加工してプリントします。
サイズを調整して印刷
サイズ調整は証明写真をつくろう! フリー版を利用しました。
使いたい写真を取り込んで、パスポートトリミングを実行します。
顔の中心、頭の頂点、あごの頂点を指定するだけです。たった3回クリックするだけで、自動的にパスポート用の規格に沿った証明写真を作ってくれます。
証明写真をつくろう! フリー版から印刷すると、「Sample」という文字が入った写真になってしまいます。文字を消すには有料版を購入する必要があります。
ただし、L版サイズの画像として出力する分には文字は入りません。したがって、このソフトで画像を作成し、プリンターに付属しているソフトで印刷すれば何の問題もありません。無償でとても素晴らしいソフトウェアです。
出来上がった証明写真の画像です。(L版サイズです)
印刷について
エプソンEP-704Aとプリンター付属のアプリ「E-Photo」を使って印刷する際の設定です。
フチなしを選んで、はみ出し量を「より少ない」にしています。
フチなし印刷を選ぶと用紙からはみ出すように拡大して印刷されます。それでは困るので「はみ出し量」でちょうどよい大きさになるように調整しています。
印刷した写真の隅にL(89mmx127mm)が元画像と同じような位置にあれば大丈夫でしょう。
上記の設定で、ほぼ原寸で印刷できました。
写真の切り取りと申請先
パスポートの申請は、住民登録のある市町村旅券窓口か岐阜県旅券センターで行うことになります。
申請には奥さんが行きました。最初、町役場の窓口に行きましたが、そこでは写真に不安があると言われたようです。写真屋で撮ったのか、自分でデジカメで撮ったのか聞かれて、デジカメでと答えたので余計に心配されました。
町役場の窓口では判断が難しいとのことで、岐阜県旅券センターに直接持ち込むことにしました。(パスポートが必要な期限に間に合わなくなるといけないので)
そこでは写真の写りは特に問題にはならなかったそうで、申請を受け付けてもらうことができました。
写真は規定のサイズに奥さんが切り抜いて持っていきましたが、旅券センターで切ってもらうことができたようです。
知りませんでしたが、ググってみると窓口で切り取ってもらうのは基本的なテクニックでした。写真を傷つけずに綺麗に切り取るのは案外難しいので、切らずに持って行って窓口で切って貰ったほうがいいです。
といこうとで、デジカメ、インクジェットプリンター、写真専用紙、フリーソフトの組み合わせで、パスポート申請用の写真を安価に作ることができました。
アドセンスの審査並みに緊張しましたがやれやれです。
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