AVアンプ パイオニア VSX-S520を購入しました。薄型のエントリー機ですが、D級アンプに期待を寄せての選択です。
さて、重量級スピーカー S-A77TBをちゃんと鳴らすことはできるのでしょうか?
今回は接続から初期設定までをまとめます。
ちょっとだけどレビューもします。
もちろん「フルオートMCACC」も試しています。
VSX-S520のスペック
Pioneer AVレシーバー VSX-S520 | |
---|---|
パワーアンプ | 6(Class D) |
定格出力 | 各ch 80W |
消費電力 | 60W |
外形寸法 | 435 × 70 × 325 mm |
質量 | 4.0kg |
HDMI入力 | 4 |
デジタル入力 | 光1/同軸1 |
USB入力 | 1(フロント) |
その他 | FMチューナー Dolby Atmos/DTS:X対応 フルオートMCACC ネットワークオーディオ機能等 |
AVアンプとは思えない軽さです。
さすがClass Dアンプ。
VSX-S520の付属品等
- 本体
- リモコン (RC-933R)
- 測定用マイク
- FM 室内アンテナ
- 簡易説明書
- 保証書
説明書はペラいものしか入っていませんでした。
詳しいマニュアルはネットからダウンロードするようになっていますが、すぐにみつけられるようにQRコードが掲載されています。
BDプレーヤー等の接続
以下、VSX-S520に接続する機器一覧です。
入力端子名 | 機種名 | 種類 |
---|---|---|
HDMI | SONY BDP-S6200 | BDプレーヤー |
ライン | Pioneer PD-HL1 | CDプレーヤー |
光デジタル | 東芝 REGZA 40A1 | テレビ |
出力端子名 | 機種名 | 種類 |
HDMI | 東芝 REGZA 40A1 | テレビ |
本当はCDプレーヤーも、光デジタル入力に接続したいのですが、残念ながらVSX-S520には光デジタル入力端子は1個しか付いていません。
同軸デジタル入力が空いていますが、CDプレーヤーのPD-HL1には付いていません...
CDプレーヤーは実質的に使わなくなる(理由は後日)ので、問題が無いと言えば無いです。
REGZA 40A1のHDMI端子はARC(オーディオリターンチャンネル)非対応なので、光デジタルケーブルを接続しています。(テレビの音声をアンプに流すため)
ARC対応テレビがあれば、光デジタルケーブルを接続する必要はありません。
スピーカーの接続
以下、5.1ch分のスピーカーを接続します。
設置場所 | スピーカー |
---|---|
フロント | Pioneer S-A77TB |
センター | Pioneer S-A5C |
サラウンド | DIATONE DS-103V |
サブウーファー | ONKYO SL-D501 |
僕の部屋には既にサラウンドスピーカーが設置されているので、通常レイアウトの「5.1」とします。

フロントLR:S-A77TB/フロントセンター:S-A5C/サブウーファー:SL-D501

サラウンドLR:DS-103V
オブジェクトオーディオ対応の「3.1.2」レイアウトも面白そうですが、Dolby AtmosやDTS:Xの音声が収録されたブルーレイディスクを持っていないので、当面は5.1chで問題ありません。
イネーブルドスピーカーを手に入れるチャンスに恵まれれば試してみたいです。
VSX-S520の仕様表には「パワーアンプ チャンネル数:6」と記載されていますが、1chは「パッシブサブウーファー」専用です。したがって、接続できるスピーカーは「5.1」もしくは「3.1.2」となります。
バイアンプもできません。
バイアンプはともかく、「5.1.2」には対応してもらいたかったところでしょうか?
ここを割り切れるかどうかが、このアンプを選択できるかどうかになると思います。
スピーカー端子はプッシュ式(バネ式)となっているため、太いスピーカーケーブルは使用できません。
オーディオテクニカのAT6158(線径2.5mm)がぎりぎり挿しこめました。ただし結構強引に押し込んだので、オススメはしかねます。
線径2mm程度までのケーブルにした方が良さそうです。
VSX-S520の初期設定
ケーブル類の接続が終わったら電源を入れます。合わせてテレビの電源も入れましょう。
VSX-S520の初期設定は、4つのステップで進めていきます。
- フルオートMCACC
- 接続確認
- ネットワーク接続
- オーディオリターンチャンネル
画面に表示される順に確認していけば良いので簡単です。
各ステップはスキップ(飛ばすこと)ができるので、「フルオートMCACC」を後回しにするなどできます。
MCACCは大きな音が出るし、静かな環境でないと正確な測定ができないので、都合に合わせて実施します。
フルオートMCACC
マイクを視聴位置に設置して、フルオートMCACCを実行します。
カメラの三脚を利用した設置例がマニュアルにありましたが、そこまで厳密に設置する必要性は感じないのでイスの背もたれにひっかけました。
だって厳密にやったところで、微動だにせず視聴するなんてことはできませんから。
フルオートMCACC実行!
テレビ表示される指示にしたがって進めます。
※大きな音が出るので注意してください。
数分で終わります。
VSA-AX3と比べるとすんなり終わりました。
補正結果を表示します。
スピーカー設定
フロントスピーカーは大型のS-A77TBを使用していますが、測定結果では「スモール」になってしまっています。
他のスピーカーとの音のつながりのために、あえてスモールで統一されるようになっているのでしょうか?
それとも、サブウーファーが付いてるからかな?
クロスオーバも気になるので、これに関してはあとで調整します。
スピーカーの距離
3cm単位で測定されます。
目測だけで適当にスピーカーを配置している割には、良い感じの距離感です。
チャンネルレベル
補正結果で見られるのはこれだけです。
フルオートMCACCで自動設定される「MCACC EQ」の内容は確認できませんでした。(パイオニアカスタマーセンターに確認しました)
自動補正の値が「マニュアルMCACC」のプリセットに保存されると良かったのですが、そういう仕様にはなってないようです。
試しにDVDを再生してみると、各スピーカーの音のつながりが良くなっています。劇場版パトレイバー2のオープニングの雨音がとても自然になりました。
細かい内容は確認できませんが、ちゃんと補正されています。
では、気になる点を修正していきます。
フロントスピーカー:「スモール」→「ラージ」
クロスオーバー:「100Hz」→「80Hz」
フロントスピーカーをラージに、クロスオーバーを80Hzに変更しました。
また、フロントスピーカーのクロスオーバーは「無」にしておきます。(フロントの低音はサブウーファーに振らない)
クロスオーバーを100Hzから80Hzにすることで、若干迫力は落ちますが自然な感じになりました。
ファームウェアのアップデート
音、映像を出して不具合が見られなければ、ファームウェアのアップデートを実施します。
ファームウェアのアップデートで改善される不具合もあるので、先にパイオニアのサイトを見ておくと良いかもしれません。
公式サイト AVレシーバー VSX-S520(S) 最新ファームウェア
「ホーム」→「システム設定」→「その他」→「ファームウェアアップデート」と進みます。
今回は「ネットワーク経由のアップデート」を利用します。(事前にネットワークの接続設定が必要です)
既に最新のファームウェアになっている場合は、「ネットワーク経由のアップデート」は選択できません。
・アップデート中はSVX-S520の電源を切らない
・アップデートにかかる時間は約30分
実際に30分かかるかどうかは分かりませんが、画面にそのように表示されるので念のため。
アップデートを途中でやめることはできないので、必ず時間に余裕があるときに実施しましょう。
アップデートを開始したらひたすら待ちます。
100%まで進んだあと「Completed!」と表示されました。
自動的に電源が切れるまで待ちます。
結局のところ、10分かからずに終わりました。
今回はバージョン「2119-9030-3070-0010」から「2120-1030-3070-0010」へのアップデートでした。
ファーストレビュー
まずはCDを再生してみます。
再生にはブルーレイプレーヤーの「BDP-S6200」を使います。
まずはいつものCDこと笠原弘子さんの「スローガラスの輝き」です。
これ名盤だと思うんですけど、残念なことに今は中古でしか入手できません。
1988年に初版が発売されて、2007年にはデジタルリマスタリングされたバージョンが発売されています。
旧版を30年聴き続けているので「スローガラスの輝き」はリファレンスディスクになってます。(最初に買ったオーディオから聴いてます)
いいですね、思った以上に良いです。
S-A77TBも良い感じに鳴ってます。
定位もいいし、高音の伸びも良いです。
VSA-AX3でバイアンプ駆動していた時よりも良いと思います。
「デジタルアンプは音が硬い」という先入観を持っていましたが払拭されました。
この時点でかなり満足です。
SACDも試します。
こちらも「BDP-S6200」で再生します。
唯一持ってるSACD、藤田恵美さんの「camomile Best Audio」です。
「VSA-AX3」と「DV-S747」で再生していたときよりもあきらかに良いです。当時は気持ちよく聴けなかったのですが、「VSX-S520」と「BDP-S6200」の組み合わせなら十分です。
スピーカーも「CELESTION F30」から「Pioneer S-A77TB」に換わってしまっているので、「VSX-S520」のおかげと言ってしまったら語弊がありそうですが。
それはともかくとしても、VSX-S520でもSACDの恩恵は受けられます。
試聴していて、ふとした瞬間に「ノイズが少ない」ということに気が付きました。
なんか静かだな~と思いながらスピーカーに近づいてみると...VSA-AX3を使用していた時に気になっていたノイズが減少していました。
低価格アンプなのに、よくノイズが抑えられていると思います。
VSX-S520の消費電力
製品スペックに記載されている、定格消費電力は60Wです。
実際の消費電力は測定してみないと分からないので、ワットチェッカーで測ってみました。
おおよそ、19Wという感じです。
スピーカーを2ch,5chと切り替えてみましたが、数値に変化はありませんでした。
アナログアンプのVSA-AX3(定格消費電力:440W)で測ってみたら72~75Wでした。
デジタルアンプは電源効率が良くて、消費電力が小さいと言われていますが、その通りの結果になりました。
安心して使えそうです。
まとめ
VSA-AX3から15年ぶりのAVアンプ更新です。
上がVSX-S520で、下がVSA-AX3です。
小さく軽くなった上に、デジタルアンプなので低発熱です。
これならどこにでも置けますね。
あくまでも現時点ではとなりますが、VSX-S520の導入は大成功だと感じています。
この記事では触れませんでしたが、ネットワークオーディオ機能も素晴らしく良いです。
ただし、VSX-S520は割りきりの製品です。
MCACCもフル機能が搭載されているわけではないし、入力端子類も少なくなっています。
プリアウトもありません。
それでも、VSX-S520にはHDMI入力が4系統あるので、全体の端子類が少なくても困ることは無いと判断しました。
薄型コンパクトな筐体に機能盛り沢山なAVアンプ(AVレシーバー)です。そして、パイオニアのお家芸であるデジタルアンプが搭載されています。
これからどんな音を聴かせてくれるのか楽しみです。
▼VSX-S520のレビューなど▼
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